任意後見、死後事務委任の締結タイミング
- matsumotoshihousw
- 2017年8月4日
- 読了時間: 2分
最近ちょくちょく相談であるのが、任意後見と死後事務委任契約の締結。でも、タイミング的に締結する効果が薄い場面が少なくありません。一番多いのが、末期がんで入院し、余命が一月あるかないかという場面。もちろん、契約をすること自体は完全なマイナスではないのですが・・・専門家としては躊躇してしまう部分があります。
まず、時間的な問題。手続き中に亡くなられてしまう可能性がある。経済的な問題。報酬含め、任意後見等の手続きはそこそこお金がかかる。効果的な問題。預貯金の管理が必要なのか?自費サービスで銀行に引き出しに行くほうが良いのでは?資産もなく、特別な葬儀を希望するわけではないのであれば、何もしなくても良いのでは?
といったことを考え、個人的には、「残りの時間の中で、お金を自分のために使った方が、本人のためなのでは・・・」という思いを強く感じてしまいます。もちろん人によって考え方はそれぞれですが、法定後見に比べ任意後見は「契約」の側面が非常に強いので私としては時間をかけて制度の理解をしてもらった上で契約をしてもらいたいと思います。
ちなみに、次に多いのが「法定後見を申し立てる人がいないので、任意後見で」というもの。これも、私の考えでは、そもそも法定後見の話が持ち上がっている時点で、任意後見にかかる「契約」の内容をすべて理解することは難しいだろうという判断で断ります。その代わり、本人申立による法定後見の利用をお勧めします。本人申立についても賛否両論ありますが、法に定められた制度であること、家裁が関与する手続きであること、要件事実としては本人の判断能力の低下を立証すれば良いことを踏まえ、私としてはまだ任意後見制度よりは適切だろうと認識しています。
いずれにせよ、任意後見制度については時間的、経済的に余裕のあるタイミングでの締結が最も望ましいと考えて
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